くるみ割り人形のルディ
クリスマスとくれば、バレエでも有名な『くるみ割り人形(音楽はチャイコフスキー)』を連想する人も多いと聞く。
時計屋の主人のもとからやってきた、くるみ割り人形。名前をルドルフとしたのは、赤鼻のトナカイ・ルドルフから。輝く赤い鼻で深い霧の中を先導したトナカイのルドルフ。今回、マーガレットたちを先導した、くるみ割り人形のルドルフは、輝く赤い鼻ではなく、シルクハットにささる赤い羽根で進む先を照らす。
8羽の鳥たち
サンタクロース(セント・ニコラウス)のそりをひくトナカイの数は8頭います。(『クリスマスのまえのばん』クレメント・クラーク・ムーアより)
注:この作品の中では、赤鼻のトナカイ・ルドルフは8頭の中に含まれていません。
クリスマスともなれば、8頭のトナカイはセント・ニコラウスとともに忙しく世界を駆けています。だから、かわりにマーガレットのもとにやってきたのは、8羽の鳥たちです。
今回、物語を作る上で色々と調べものをしていた時に、キリスト教の「典礼」の色として、それぞれ意味を持つ8色の色の存在を知りました。これを参考に鳥たちのくちばしの色を決めました。ただ、白は体の色とかぶるため薄茶色とし、金色は同系の黄色としました。 以下参照。
キリスト教 典礼の色
色 意味
赤 :火、愛、殉教
緑 :希望、堅実、忍耐
紫 :償い、回心、節制
黒 :死、苦しみ、悲しみ
ピンク:喜び
青 :天を指す
金色(黄色に変更):王位、尊厳、威風
白(薄茶に変更):神の栄光、清らかさ
色 名前
赤 :ローズ
緑 :パセリ
紫 :グレープジュース
黒 :ムーア
ピンク:キャンディ
青 :プール
黄色 :レモネード
薄茶 :クッキー
鳥たちの名前は、色から発想するものから命名。ちいさな女の子でもすぐに連想できるもの。
ムーア(moor)という言葉は「荒れ地」という意味で「黒」という色のイメージにも合いますが、クリスマス好きなマーガレットの場合は、『クリスマスのまえのばん』の作者であり神学者であるクレメント・クラーク・ムーアの名前を一番体が大きく目立つ鳥に与えます。
ちなみに、ソニック・ユースというアメリカのバンドに、サーストン・ムーア(身長2.1m)という「ひときわ大きなからだ」のギタリストがいます。
3つのおくりもの
サンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスの伝説では、『3人の娘を結婚させるお金のない父親の嘆きを聞いた聖ニコラウスが、こっそり夜中に3つの金塊を投げこんだ。するとそれが靴下の中に入った』という逸話があります。これは、クリスマスにプレゼントをくばる由来の中でも代表的なもの。
また、イエスの誕生時にやってきた東方の三博士など、ここでも「3」という数字がある種意味を持っています。そんなわけで、マーガレットがくばる贈り物の数も3つとしました。
袋の色は中身をイメージした色です。
森の木の実 → 緑
小屋の花 → 黄
夕闇に舞う葉 → 赤
マーガレット
「誠実」「真実の友情」などの花言葉を持つマーガレットはキク科の多年草。そして、その花の名を持ち、サンタクロースに憧れる女の子マーガレット。クリスマスの前の朝、魔法のような出来事が彼女のもとにやってくる。ちなみにマーガレットの住む家は、ひいおじいさんの代から引き継がれている家らしい。あまり家の中を描いていませんが、この家には色々と秘密がありそうです…。
Merry Christmas !!
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